インプラントのオールオン4とは?治療後に後悔する原因や対策も紹介
2023年12月12日
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士の高岡です。
インプラントについては、どのくらいご存知でしょうか?
たくさんの歯を失ってしまった方、残りの歯がわずかになってしまった方へ、お勧めのインプラント治療法があります。
それが「オールオン4」という治療法です。
「オールオン4」とはどのような治療法なのか、聞いたことはありますか?
インプラントのオールオン4とは?
オールオン4(All-on-4)とは、その名の通り4本(上顎・下顎各々)のインプラントを埋め込むことで、すべての歯を作ってしまうインプラントの治療法です。
引用:共立美容外科
インプラントを埋め込むには、歯の土台となる骨があることが条件となります。
インプラントを埋め込むのに十分な骨がない場合は、骨移植やサイナスリフト(上顎洞底挙上術)など、大掛かりな手術を行う必要があります。
多くの歯を失ってしまっている場合のインプラント治療は、埋入するインプラントの本数が多くなるため、費用的にも身体的にも負担が大きくなりやすいのです。
また、骨がない部分があったとしても、オールオン4では、骨がしっかりとある前歯の部分にインプラントを埋め込むため、インプラントができる症例の幅が広がります。
しかし!オールオン4を行えば、埋入するインプラントの本数を最小限に抑えることができ、身体的な負担を軽減してインプラント治療を受けることができます。
オールオン4は費用が抑えられる!
上記のように、オールオン4では、埋め込むインプラントの数は上下それぞれ4本です。
すべての歯を失ってしまった方が通常のインプラント治療を受ける場合は、少なくとも上顎・下顎ともに8本程度のインプラントが必要となってしまいます。
それに比べて、オールオン4をした場合は片顎につき4本(場合によっては5~6本)のインプラントで済むのでとっても経済的です。
インプラントのオールオン4で後悔するケース
オールオン4治療の魅力的な点もたくさんありますが、注意点もいくつかあります。
オールオン4における注意点は以下の通りです。
正しいケアができない
オールオン4で起きやすいトラブルとして、通常のインプラント治療でも起こりうるインプラント周囲炎があげられます。
インプラント周囲炎とは、ご自身の歯の歯周炎と同じような炎症が起きてしまうことです。
口の中の細菌(プラーク、磨き残し)が原因となり、歯肉が赤く張れ、出血などを起こしてしまいます。
歯周炎の怖いところとして、初期段階では、ほとんど自覚症状がありません。
次第にインプラント周囲の歯肉が赤く腫れたり、出血をしたり、膿が出るなど症状が表れます。
そのまま進行が進んでしまうと、インプラントの周囲の骨が溶けてきてしまい、インプラントがグラグラと揺れてきてしまいます。
状態によっては痛みもでてくる可能性もあります。
歯周炎が軽度の場合は、歯科医院での専門的なクリーニングや、抗生剤の投与などで治療をしていきますが、重度にまで進行してしまった場合は、インプラントの除去をしなくてはならなくなります。
その場合には、溶けてなくなってしまった骨の回復を図った後、再度インプラントを埋め込む流れになります。
しかし、骨が回復するためには時間もかかる上、うまく骨が回復しない場合に、インプラントは難しくなってしまいます。
そのため、出来るだけインプラント周囲炎は避けたいですよね。
インプラント周囲炎の予防のためにできることで一番大切なのは正しい方法での歯みがきです。
また、専門家による定期的なクリーニングやメンテナンスを受けることも大切です。
人工の歯が、顎の骨に埋まっているわけですから、自分の歯以上に、ケアを行いコントロールをしていくことが大切です。
インプラントは適切なケアをすることで長持ちします。
特にオールオン4の場合には、インプラント埋入部分の歯茎が大きく露出されていません。
毎日の歯磨きはもちろん大事ですが、家でのケアには限界があります。
定期的に歯科医院で上部構造の歯を一端取り外して、クリーニングをするような処置が必要となります。
オールオン4の治療の特徴として、4本の歯で多数歯を支えています。
そのため、1本あたりのインプラントに加わる力が強くなります。
長めのインプラントを使って斜めに埋入することで、力の加わる加減を歯科医師が慎重に調整して治療を進めます。
通常のインプラント治療よりも熟練した技術を必要とする場合がありますので、歯科医師とよく相談し、インプラントが適合しないなどのトラブルを防ぎましょう。
何よりも自分が信頼できる歯医者さんにお願いすることが大切ですし、インプラント治療前後のケアを丁寧に行っている歯医者さんを選ぶことも大事なポイントです。
インプラントの抜け落ち
もう一点、オールオン4治療においての注意点があります。
オールオン4は、上記の通り4〜6本のインプラントによって最大で12本の歯を支えるインプラント治療です。
したがって4〜6本のうちの1本のインプラントの失敗によって特定のインプラントに過度な負担がかかってしまったり、残りのインプラントでは被せ物部分に値する上部構造を支えることができなくなる場合があります。
そんな時に注意が必要なのは、インプラントの抜け落ちです。
インプラントが抜け落ちてしまうことは、以下のような時に多く見られます。
-
- インプラントが正常に埋め込まれていなかった場合
- インプラントと骨の結合に何らかの問題がある場合
- インプラントの周囲が炎症を起こしている場合(前項目で述べた通り)
- ンプラントが歯根に接触している場合
- 噛み合わせの調節が適切になされなかった場合
- 術後のセルフケアや定期検診を怠った場合
これらのように、インプラントが正常の位置(角度や深さなど)に埋め込まれていない場合や、インプラント周囲の適切なケアができずに炎症を起こしてしまうと、最悪インプラントがぐらつきだし、抜け落ちてしまう可能性があります。
インプラントのオールオン4で後悔しないための対策
以上のようにオールオン4の治療では、メリットも大きい分、リスクも伴う可能性があります。
それでは、このようなオールオン4治療のリスクをできる限り低くするために、何ができるのでしょうか?
歯科医院選びを慎重に行う
とにかく信頼できる歯科医院を選択し、治療してもらうことが大切です。
インプラント治療前には、インプラント治療に関する説明を歯科医院で受けることができるかと思います。
その際に、信頼できるかどうかが非常に重要です。
いくら安くやってもらえたとしても、治療内容や方針に納得できなければ、不安感がずっと残ってしまうかと思います。
大切な歯、一生ものの歯の治療だからこそ、妥協せずに納得できる医院で、納得できる治療を行うことを何よりもお勧めいたします。
禁煙をする
禁煙は、一般的なインプラント治療でも、オールオン4治療でもお願いをしております。
喫煙すると、血管が細くなり血液の流れが悪くなってしまいます。
すると、インプラント体と顎の骨の結合がうまくいかないことがあります。
また、インプラント治療は、外科手術の一種です。
手術後の回復が治療の成否を決めます。
喫煙している方は手術でできてしまった傷口に血液が届きにくいので、治りが遅くなってしまうのです。
そうなると感染症を発症するリスクが高まってしまいます。
喫煙の悪影響はまだあります。
喫煙者の唾液の量は、非喫煙者より少ないといわれています。
唾液は歯周病予防に欠かせません。
インプラントを入れた患者様が上で述べたようなインプラント周囲の歯肉炎を発症してしまうと、最悪インプラントが抜け落ちてしまいます。
これは一本のインプラント治療でもオールオン4でも同じことです。
定期的にメンテナンスをする
一般的なインプラント治療もオールオン4治療も、治療前後のメンテナンスが欠かせません。
食後の確実な歯磨きや食生活の改善、体調管理、定期的な歯科医院の受診などができない方は、正直インプラント治療は不向きです。
インプラント周囲に歯肉炎を起こして、インプラントが抜け落ちてしまわないように、定期的にメンテナンスをしましょう。
まとめ
今回はインプラント治療の中でも「オールオン4」治療についてお伝えしました。
オールオン4は、治療可能な症例の幅が広がったり、インプラント治療の費用を抑えられたりと、大きなメリットがありますが、その分、歯肉炎を起こすリスクや抜け落ちてしまうリスクも考えられます。
しかし、オールオン4治療に限らず、何事もメリットがあればデメリットもつきものです。
大切なのは、信頼できる歯科医院さんに診てもらうことと、定期的なメンテナンスには通い続けるということです。
インプラント治療をしていなくても、この2つは歯の健康を守るために重要なことなこととなります。
大切なお口の健康を維持するために、信頼できる歯医者さんとの関係を続けていくことをお勧めいたします。
うえの歯科医院ではインプラントの治療も行っています。
興味のある方はぜひご相談ください。
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【 所属 】
医療法人VERITAS理事長
国際インプラント学会(ICOI)会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
済生会東部病院共同診療医