インプラントが取れたらどうする?費用や応急処置の方法を解説
2024年11月07日
皆様こんにちは!
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士兼トリートメントコーディネーターの高岡です。
今回はインプラントが取れた場合、どうするのかを解説していきます。
せっかく長期間かけて入れたインプラントですが、取れてしまったり、抜けてしまったら、驚きますよね。
普通の被せ物や差し歯と違う対処法なのではないかと焦ってしまう方も多いはずです。
今回はそのようにインプラントが取れてしまった場合、どのように対処したら良いのかを詳しく解説していきます!
■インプラントが取れてしまう原因
そもそもインプラントが取れてしまう、ということはあり得ます。ただ、インプラント治療をした所のどの部分から取れてしまってるのかによって、取れる原因は様々です。
◆インプラント体(人工歯根)が取れた場合
まずはインプラント体、つまり顎の骨に埋め込んだ金属部分が取れてしまう場合の原因は、インプラント体を入れてからどのくらいの時期なのかによって原因が異なります。
◎インプラント体埋入後、数ヶ月で外れた場合
インプラント体を埋め込む手術の後、数ヶ月で外れてしまった場合は、顎の骨とインプラント体がしっかりと結合していないことが原因であることが多いです。
数ヶ月すると、インプラント体が骨としっかり結合するのが通常ではありますが、その際に何らかの問題があったことが考えられます。
その問題とは、インプラントを埋めた部分の骨の状態や歯科医師の手術の技術、衛生上の問題などが挙げられます。
◎インプラント体埋入後、数年経って外れた場合
インプラント治療を終えて、数年経った際にインプラント体が外れたという場合は、インプラント周囲炎が考えられます。インプラント周囲炎とは、インプラント周辺に歯周病のような症状が現れることです。
最初は歯茎の炎症や腫れの症状が出ますが、酷くなると歯茎が膿んだり、骨吸収が起きてしっかり骨と結合していた部分に隙間ができ、インプラントがぐらついたりすることがあります。
その結果、抜け落ちてしまうことがあるのです。
これはご自身の歯に起こる歯周病も同じことが起こり得るものです。
◆アバットメントが取れた場合
続いてアバットメント(インプラント体と被せ物の接続部分の土台)が取れた場合の原因は、インプラント体を固定しているネジにゆるみが出た、もしくは破損しているということが考えられます。
アバットメントとインプラント体はネジで固定されていますが、このネジにお食事や歯ぎしり食いしばり、外的に力が加わるなど何らかの負担がかかると、ネジが緩んでしまったり、破損してしまったりすることがあります。結果、インプラント体からアバットメントが離れ、外れてしまいます。
インプラント治療をする際には、インプラントに負担がかかりすぎないよう、噛み合わせも考慮して治療されているはずですが、口内環境の変化などによりインプラントに負担がかかってしまう可能性もあります。
また、歯ぎしりや食いしばりなどの癖がある場合も、インプラントに負担がかかりやすいです。
◆被せ物が取れた場合
実際に見える部分である被せ物が外れてしまうこともあります。その原因には、インプラント治療ならではの理由があります。
通常ブリッジ治療などで現存する歯に被せ物をする場合には、しっかりと被せ物を固定するために硬めのセメントを使用します。被せ物と歯の隙間に虫歯菌が入ると、自分の歯が虫歯になってしまうリスクがあるため、しっかりと固めます。
一方、インプラント治療ではアバットメントのネジの緩みなどをメンテナンスしやすいよう、しっかりは固めず、あえて柔らかいセメントを使って固定します。
人工歯は虫歯になることはないので、隙間が空いていても問題はないためです。そのため、被せ物が外れてしまうことが、実はあります。
しかし、頻繁に外れてしまうということが普通というわけではありません。基本的には必要な時に外しやすいようにしておくだけなので、外れやすくしているわけではないです。
もし頻度が高く外れてしまうという場合には、噛み合わせの問題で、インプラントに余計な負担がかかっている可能性があります。
■インプラントが取れた時にかかる費用
インプラントが取れた場合、費用も気になるところですよね。
インプラントのどこから取れたかの部位や状態によってかかる費用は変わります。
例えば、アバットメントや人工歯が取れただけで破損がなかった場合は、取れた箇所を付け直すだけで済むため、再装着料や受診料などの数千円程度の治療費用となるでしょう。歯科医院によっては保証期間内であれば無料の場合もあります。
一方、人工歯やアバットメントの紛失や破損があった場合は、人工歯やアバットメントの修理や作り直しが必要になるため、再作製の費用がかかるのが一般的です。
人工歯は10万円以上、アバットメントは5万円以上の費用がかかるのが相場です。なお、修理や再作製の場合も、医院によっては保証期間内であれば費用は少なくて済むこともあります。
その他、埋め込んでいるインプラント体が取れたり破損があったりしたときは、再手術が必要なケースがほとんどです。特にインプラント周囲炎で取れた場合、細菌を完全に除去することが困難なため、インプラント体の再利用はできません。そのため、新しいインプラント体を使って再手術する必要があります。
再固定が可能であれば、比較的費用をかけずに済みますが、再手術の場合、最初にインプラント手術を受けた時と同様、またはそれ以上の費用がかかる可能性もあります。また、骨量が多いか少ないかなど、歯周組織の状態によっても治療費は変わってきます。
具体的な費用については、インプラント治療を受けた歯科医院に相談するようにしましょう。
■治療後にインプラントが取れた場合の対処法
ここまでインプラントが取れる原因や費用についてお伝えしましたが、ここからは実際にインプラントが取れてしまった場合の対処法をお伝えしていきます。
◆どこの部分が取れたのか確認する
ここまでお伝えしたのうに、どの部位(パーツ)が取れたのかによって原因が変わるため、その対処法も異なります。そのため、まずは取れたもの、抜けたものを確認しましょう。
どの部位が取れていたとしてもすぐに歯科医院に連絡し、受診しましょう。
◆取れたパーツを保管しておく
インプラントのパーツが取れた場合は、衛生的かつ力がかかっても破損しない方法で保管しましょう。きれいにしっかりと保存されていればそのまま使える可能性が上がるためです。そのまま使えれば期間・費用をかけずに治療が可能です。
また、取れたパーツの状態が分かれば、トラブルの原因の判断材料になるかもしれません。
保管方法としては、プラスチックケース(食品用タッパーや旅行用のクリームの容器など)や、ジッパー付きの密閉式保存袋などが最適でしょう。変形・破損がないように、可能な限りある程度硬さのある容器に保管しておくと安心です。
ティッシュや紙で包んで保管してしまうと、ご家族の方などが誤って捨ててしまう可能性があったり、外部からの衝撃で変形することもあるため控えましょう。
◆放置せずに歯科医院を受診する
インプラントのいずれかのパーツが取れたら、かかりつけの歯科医院へ連絡し、すぐに予約をしましょう。その際、状況の把握や治療がスムーズにいくよう、
・いつ取れたか?
・どのようなときに取れたか?(取れた原因やきっかけ)
・以前から取れそうな感覚があったか?(何日か前からグラグラしていた、など)
以上のような聞かれそうなポイントをメモしておき、正確に伝えましょう。具体的に伝えられれば、歯科医院側も適切な対処がしやすくなります。
また、受診までの期間もできるだけ不安なく過ごせるよう、気を付けるべき点などの指示を仰ぐとよいでしょう。
何より、インプラントが取れたまま放置すると、さらに治療が難しい状態になったり、細菌感染のリスクも高まったりするため、一刻も早く歯科医院へ連絡・受診をしてください。
■インプラントが取れた時に関するQ&A
最後にインプラントが取れた時のよくあるQ&Aをみていきましょう!
◆インプラントが何度も取れるのはよくない?
上述のように多少インプラントが取れるということはあり得ますが、何度も取れてしまうという場合は何らかの問題が起きている可能性があります。
何度も取れてしまう場合は、インプラント周囲炎が起こってしまっていたり、歯ぎしりや食いしばりがあってインプラントに負担がかかっていたり、といったトラブルが起きているかもしれません。適切に原因を見極めてもらうためにすぐに歯科医院を受診しましょう。
◆インプラントが取れたときは違う歯科医院を受診した方がいい?
インプラントを埋め込み、人工歯を装着する一連の治療の過程で違う歯科クリニックに変更することは基本的にできません。ただインプラント治療の一連の流れを終えてからお引越しなどのやむを得ない事情で歯科医院を変えることも出てくるかもしれません。
ただ、インプラントが取れた時は基本的には、インプラント治療をしてもらった医院で診てもらうのが第一選択です。
万が一、お引越しをしたり、元々の歯医者に不信感があったり、などで別の歯科医院を受診したい場合は、治療に関する情報を正確に伝えること、元々の医院のインプラントの保証等を確認しておくこと、扱っているインプラントのメーカーを確認すること、歯科医師の技術力や院内設備を調べることが必要です。
他院で行ったインプラント治療に関してはお断りをする歯科医院もありますので、注意しましょう。
■まとめ
うえの歯科医院では、インプラント治療とその後のメンテナンスも行なっております。食事を楽しむためにも全身の健康のためにも大事なお口の中を守るためにも、インプラント治療後の起こりうるトラブルに関しても理解しておくことが大切です。自分に合った最適な治療を選べるよう当院ではカウンセリングも行なっております。よろしければお問い合わせください。
うえの歯科医院 インプラント
https://www.veritas-implant.com/sp/
【 所属 】
医療法人VERITAS理事長
国際インプラント学会(ICOI)会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
済生会東部病院共同診療医