ソケットリフトとは?治療で失敗することはあるのか、痛みはあるのか?
2024年05月23日
皆様こんにちは!
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士兼トリートメントコーディネーターの高岡です。
今回はインプラント手術の際に、必要になることがある【ソケットリフト】といつ治療についてお伝えします!
インプラントをやりたい!と思っても、骨が薄い…鼻と距離が近い…となると、すんなりインプラントを入れられないことがあります。その際に必要なのがソケットリフトという手術です。
すでにソケットリフトが必要だと言われた方、これから上の歯のインプラントを考えている方は必見です!
ソケットリフトとはどのような術式?
まずはじめにソケットリフトとはどのような治療なのでしょうか?詳しくみていきましょう。
上顎の奥歯の上には、上顎洞(じょうがくどう)という空洞があり、さらに、歯が抜けると歯を支えていた土台となる骨が痩せやすくなるため、インプラント治療の際に骨量が不十分であると言われることが多いです。そのような時に行う治療がソケットリフトです。
ソケットリフトは、簡単にいうと上顎の骨を増やすための治療法です。上顎洞を覆うシュナイダー膜という粘膜を押し上げてスペースを作り、インプラントを埋入するための骨の高さを増やします。ソケットリフトはシュナイダー膜までの骨の高さが5mm以上ある場合に適用される骨造成術です。
オステオトームテクニックとの違い
ソケットリフトの術式の中で、オステオトームテクニックという治療法があります。
これはインプラント治療でのソケットリフトの一つです。オステオトームと呼ばれる円筒状の器具を使って骨を圧縮し、上顎洞底骨を上顎洞粘膜とともに挙上し骨造成材料を挙上部分に入れ、骨が造成された部分にインプラントを埋入する手法です。
サイナスリフトとの違い
ソケットリフトとよく似た治療法でサイナスリフトという術式もあります。
サイナスリフトとは、ソケットリフト同様インプラントを埋め込むのに十分な骨の高さが上顎にない場合に、小鼻の脇にある上顎洞の底部に骨補填材を埋入して骨再生を行う方法です。ただし骨の厚みが8mm未満の場合や、多くの骨を補わなくてはいけない場合に適応します。
そのためソケットリフトよりも広範囲だったり深い範囲の手術をする必要があります。
ソケットリフトの治療の流れとは?
それでは具体的にどのようにソケットリフトの治療を進めていくのかをみていきましょう。
埋入するための穴を骨に開ける
まずはインプラントを埋入する箇所の歯肉を切開し、骨に穴をあけます。その際に、シュナイダー膜と呼ばれる上顎洞と歯槽骨の間の膜を傷つけないように押し上げます。
骨補填材を充填する
開けた穴からシュナイダー膜を押し上げるように、顎などから採取した自家骨または人工の骨補填材を入れます。骨補填材などの充填が完了したら穴を塞ぎ、歯肉を元に戻して縫い合わせます。
インプラントを埋入する
自家骨または骨補填材を入れた後はインプラントを固定できるように骨が形成されるのを待ちます。
再生速度は個人差がありますが、一般的には3~6か月ほどで再生するといわれています。
骨が形成され、インプラントがしっかりと固定されていることが確認されたら、人口の歯を作製し装着します。
ソケットリフトのメリット・デメリットは?
ソケットリフトは話だけ聞くと少々怖い外科的な治療ですが、この治療のメリットやデメリットにはどのようなことが考えられるのでしょうか。
メリット
・サイナスリフトよりも手術の範囲が狭いため、患者様の負担を極力抑えることができる
・ソケットリフトを行ったその場でインプラントの埋入ができるため、治療回数を減らせたり期間を短縮できる。
デメリット
・上顎洞粘膜が破れていないかの確実な確認ができないので、危険性がある
・かなり繊細な手技が必要なので、担当歯科医師の経験、技術力が求められる
・費用が高額になりやすい
ソケットリフトの治療にかかる費用はどのくらい?
ソケットリフトのデメリットの一つに費用面のことが挙がりましたが、ソケットリフトの費用はおおよそいくらくらいなのでしょうか。
価格は歯科医院にもよりますが、
およそ30,000〜100,000円が相場です。
使っているものの材料費やDrの技術料により差があります。
このソケットリフトの費用とは別途インプラント埋入の手術費がかかります。
ソケットリフトの治療は痛いのか?
外科的な処置であるソケットリフトですが、痛みはあるのでしょうか…。
手術前
インプラント手術の始めには必ず局所麻酔をします。
その際の麻酔注射の痛みはあるでしょう。
注射が苦手な方は、表面麻酔というシールのような麻酔を先に行うことで痛みが和らぎます。
場合によって、恐怖心が強い方は全身麻酔をして行う方もいらっしゃいます。
手術中
インプラントの手術中は、上記のように局所麻酔を効かせるため、痛みを伴うことは基本的にありません。
麻酔の効き方には個人差があるため、様子を見ながら適宜追加投与する場合もあります。
ただし、痛みは感じなくても意識はあるため、骨を削る振動を感じたり、器具の音や術中の会話が聞こえたりします。
音や振動が苦手な場合は全身麻酔である静脈内鎮静法を行うことをお勧めします。
手術直後
術後の痛みには個人差がありますが、外科手術をしたことによる傷口の痛みや、骨を造ったことによる腫れや痛みがあることがあります。
およそ術後3〜4日後くらいから痛みや腫れが出始め、10日間くらいは痛みが続く可能性があります。
処方される痛み止めや腫れ止めを飲むようにしましょう。
ソケットリフトの治療で失敗することはある?
歯科医師の技量も問われるソケットリフトですが、失敗してしまうことはあるのでしょうか。
ソケットリフトは基本的に失敗が少ない治療ではあります。ですが、手術を行う歯科医院は慎重に選ぶと良いでしょう。
ソケットリフトの失敗の要因は以下のようなものが挙げられます。
歯科医院選び
インプラント手術はインプラントを埋入した後のメンテナンスも重要であるため、その歯科医院と長くお付き合いすることになります。自分が通い続けたい歯科医院か?メンテナンスをきちんと行ってくれる医院なのかをみておきましょう。
患者様自身の健康状態が万全か?
喫煙やアルコール、また糖尿病や高血圧などの全身疾患が手術の成功にも関わってきます。事前にコンディションを整える必要があります。
手術中、シュナイダー膜が破れてしまう
薄い膜であるシュナイダー膜を持ち上げる際に破れてしまうと手術は中止となります。稀に手術は成功したとしても、患者様が大きなくしゃみをしたり思い切り鼻をかんでしまって膜が破れてしまうこともあります。
そのくらい繊細な治療なので、経験を積んだDrに治療してもらうのが安心です。
まとめ
今回はインプラント手術の際に行うことがあるソケットリフトについてお伝えしました。
安全に長持ちするインプラントを入れるためには、しっかりとした術前検査と歯科医師の手術スキル、その後のメンテナンスがとても大切です。
うえの歯科医院ではインプラントに関わることをサポートしているのでよろしければお問い合わせください。
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【 所属 】
医療法人VERITAS理事長
国際インプラント学会(ICOI)会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
済生会東部病院共同診療医