GBR(骨誘導再生法)とは?成功率や術後の注意点について解説
2024年05月09日
皆様こんにちは!
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士兼トリートメントコーディネーターの高岡です。
むし歯や歯周病で歯を失ってしまった時、人工の歯根を埋めることにより、失った歯を補えるのが“インプラント治療”です。
しかしながらこのインプラント治療は、歯の土台となる骨にインプラント体を埋めて行う治療だからこそ、この骨が十分にないと、治療を行うことができません。
そこで、歯の土台となる骨の厚みがなかったり、幅がない場合に行えるのがGBR(骨誘導再生法)という治療です!
今回はこのGBRについて解説していきます。
GBR(骨誘導再生法)とはどのような術式?
まずはこのGBR(骨誘導再生法)とはどのような治療なのかをみていきましょう。
GBRとは、「Guided Bone Regeneration」の略で、日本語では骨誘導再生療法とも呼ばれています。
虫歯や外傷で歯が抜けてしまったり、歯周病などの原因で歯槽骨が痩せてしまい、インプラントを埋入するために必要な骨幅や高さが足りない場合に骨を造成する治療法です。
術式としては、歯肉を剥離して骨を造りたい場所に骨補填材または粉砕した自家骨を入れて骨の再生を促します。
GBRを行うタイミングとしては、GBRとインプラント埋入を同時に行う場合と、GBRのみ行い、期間をおいて骨がしっかりと再生されてからインプラント埋入をする方法があります。
GBR(骨誘導再生法)治療にかかる費用相場は?
それではこのGBRの費用の相場はどのくらいなのでしょうか。
主にインプラントに関する治療であるGBRですが、その費用は保険適用外となります。
保険適用外であるため、費用は歯科医院によって異なりますが、おおよそ3〜10万円くらいの医院がほとんどです。
GBRと一口にいっても、“サイナスリフト”や“ソケットリフト”といった2種類の治療法があり、そのいずれかの方法によっても費用は異なります。
ご自身がどのような状態でどのような治療が適用なのかを歯科医院に相談してみてくださいね。
GBR(骨誘導再生法)はどのような流れで行われる?
インプラントを入れたい方にとっては、味方となってくれるこのGBRですが、手術というと少し身構えてしまいますよね。
どのような流れでGBRを行うのか、その手術の流れをみていきましょう。
インプラントの埋入と同時に行う場合の術式を紹介します。
1.患部の歯肉を切開し、インプラントを埋入するスペースを確保し、インプラントを埋入します。
2.骨再生のためのスペースに、骨補填剤や粉砕した自家骨などを入れます。
3.メンブレン膜という人工膜で覆い、その上に歯肉を被せ縫い合わせます。この膜を入れることにより、骨組織が再生する場所を確保していきます。
4.インプラントと顎の骨の結合、骨の再生を待ちます。
5.数ヶ月間の治癒期間をおき、インプラントの上部構造(人工歯)を装着します。
以上のような流れで行います。
GBR (骨誘導再生法)の成功率はどのくらい?
GBRは外科手術の一つです。手術というと気になるのはその成功率かと思います。
GBRの成功率はほぼ100%です。ほとんどのケースでGBRを行えば骨組織を造成し、被覆することが可能となります。
GBR (骨誘導再生法)が向いている人は?
GBRは、インプラント治療を行う全ての方が行う治療ではありません。
どのような方にこのGBRがお勧めされるのでしょうか。
例えば、重度の歯周病であったり、合わない入れ歯の使用によって骨が痩せてしまっている方、またら生まれつき顎の骨が薄い方でも、GBRを行えばインプラント治療が可能になります。
骨量が不足している箇所へのインプラント埋入は、そのままだと脱落やぐらつきなどの失敗に繋がりますが、GBRによる骨造成を行うことで成功率を高め、インプラントが長期的に安定する可能性を高めてくれます。
しかしながら、大きく骨量が不足している場合は、インプラント埋入前にGBRを行う必要があります。GBRを行って骨が再生し、周囲の骨と馴染むまでに3ヶ月~6ヶ月程度の時間がかかるため、治療期間が長くなります。また、自家骨を使用する場合は、自分の骨を採取するための手術が必要です。
期間や場合によってはプラスの手術が必要であることも同意できることがGBRを行う条件となります。
GBR (骨誘導再生法)術後の注意点とは?
GBRをした後、腫れや痛みはあるのでしょうか…GBR手術後の注意点をお伝えします。
術後の期間による注意点
術後 24時間以内の行動
まずは術後すぐ24時間以内の注意点です。
第一に、患部を刺激しないことが大切です。
手術後の傷口は非常にデリケートで、出血する可能性も高いので、手や舌、歯ブラシなどで傷口を触らないように注意してください。
強くうがいをすることでかさぶたが剥がれてしまうと治るまでの期間が長くなってしまいます。うがいをしたい場合は、口に水を含んで出す程度のやさしいうがいにしましょう。
また、食事の際も、患部を避けて噛むよう意識しつつ、噛む力が少なく済むゼリーやおかゆ、スープなどの軟らかいものをとるようにしてください。組織の修復を早めるにはたんぱく質やビタミン群をとることが重要です。軟らかく食べられるお豆腐や白身魚、卵などのたんぱく質を積極的に食べるようにしましょう。野菜はくたくたに煮てスープにするのがお勧めです。
また、手術後は、歯科医師から処方された痛み止めや抗生物質などの薬を、指示通りに服用するようにしましょう。
薬の飲み忘れや、自己判断で薬の服用をやめると、症状の悪化につながります。
万一、処方された薬を指示通り服用しても、腫れが長引く、もしくは痛みが軽減しない場合は、薬では治らない深刻なトラブルが起きている可能性があります。
そのような場合には、できるだけ早く治療を行った歯科医師に相談しましょう。
術後2週間以内の行動
術後2週間以内の注意点は、禁煙・禁酒がマストということです。
インプラントを埋入する方は原則として術後2週間後以降も禁煙が推奨されています。喫煙をすることにより血液の流れが悪くなり、インプラント体が長持ちしにくくなるという報告があります。インプラントの保証も禁煙されている方にはないという歯科医院もあります。
また、アルコールを飲むことで血流が良くなり腫れが治らず傷口の治りを妨げてしまいます。2週間はお酒を控えるようにしましょう。
症状別の注意点
出血している場合
万が一術後も出血が続く場合はガーゼを 30分程度噛むようにしましょう。
また上顎のGBR治療をした方は鼻からの出血することもあります。強く鼻を強くかまないことが大事です。
痛みや腫れを伴う場合
インプラント治療や骨造成治療は、患部を切開する外科手術の際、傷口を守ろうと免疫反応や防御反応が起きて、患部が腫れる場合があります。
この場合は、患部を安静にしていれば、2週間程度で治まるはずですが、2週間で腫れが治まらないようであれば、何らかのトラブルが起きている可能性があるため、
治療を行った歯科医師に相談してください。
術後24時間以内の腫れは患部を冷やすことで、少しでも腫れを抑えることができます。24時間以降に患部を冷やしてしまうとしこりのように残ってしまうことがあるので注意しましょう。
まとめ
今回は、GBRについて解説しました。
GBRはインプラントを入れたいけど骨が薄い…幅がない…という方にとっても、インプラントを入れるチャンスを掴むことができる治療法です。
自分がインプラントできるのか…と不安に思われている方も一度歯科医院に相談してみましょう。
うえの歯科医院ではインプラントに関わることをサポートしています。よろしければお問い合わせください。
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【 所属 】
医療法人VERITAS理事長
国際インプラント学会(ICOI)会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
済生会東部病院共同診療医